三種の神器‐戸嘴美園(こはし みその)の場合
  でもってその時丁度美園ちゃんもこのお店にいたから、美園ちゃんにも途中からその話に加わってもらったのよ。だってあたし美園ちゃんが楓駕(ふうが)ちゃんと付き合ってたの知ってたからね」




「えっ?!そうだったんだ」




「う・うん。そうなの。こうして私と楓駕は一応付き合っている訳だから、自分の彼氏のお父さまが亡くなったんだって聞いたら、やっぱりほっとく訳にはいかないかなと思ってさ……」
  と言うと美園はありがとうの感謝の気持ちを込めて、YONKOに軽くウィンクをした。この時美園はYONKOの素早い機転に救われ、ホっと胸を撫で下ろした。




  するとどうにかこうにか納得した楓駕が
「ねえ、美園。俺達ってさお互いにお互いの事を何も知らずに、今まで来ちゃったよね。でも今日俺美園が親父の告別式に来てくれたのを見てすんごく嬉しかった。
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