月の満ち欠け
  そこへ峻哉が静かに顔を出し
「母さんおはよう!」
  と照れながらややバツが悪そうに言うと




「えっ!?と・峻哉。お久し振り」
  と母親は3年振りの我が子との対面に驚きを隠せない。




「ご・ごめん。驚いた?」
  と峻哉は頭をかく。




「え・ええ。まあ、そりゃあ、だってあなたが部屋にひきこもってもう既に3年も経つのだもの。驚かない方が可笑しいわ」
 と、そう言った母親の目にはキラリと光るものがあった。
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