月の満ち欠け
  だから弟である俊哉に大切な何かを取り戻して欲しくて、美月はあなたの下を訪れたんだと思うの」




「……」




  この時峻哉は美月との出会いと母親の話とで、少なからず前に進むきっかけを掴んだようだった。




  そしてそれを境に峻哉のかたくなな心は次第にゆっくりながら溶け始め、やがて峻哉の意識は少しづつ外へと向かい生活は一変していった。
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