飛ばない蝶は、花束の中に


拳を握り締めて、顔を上げた。


なによ、こんな向日葵。


明るい黄色が透き通るようで。
燦々と太陽を浴びて、いかにも自信がありそうで。





私は、手前の一株の根元を、思い切り踏み潰した。

丈夫そうな茎は、潰れるように折れ曲がりパキッと、葉柄の折れる、音。





「……あぁっ…」


背後で、小さな悲鳴のような声が、上がった。


ドキリと。

それはもう、花を踏み潰した罪悪感と、それを見られた気まずさに対する、ドキリ。


その悲鳴が女の声である、と耳が判断した、ドキリ。



ダブルドキリに、私は弾かれたように振り返って。



絶望感に、固まった。





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