飛ばない蝶は、花束の中に


「と…盗っ…た……」

「だってあんた…お兄ちゃんとしたんでしょ…!?」


「……しっ…した…かも知れないけど…っ」


あれはあたしが!

と、口ごもった雅は。
ふと真面目な顔で、私をじっと見つめた。



「………深雪ちゃん」

「な…なによ」

「…凱司さん、受け入れてくれるかも、知れないですよ?」



あたしのこと、受け入れてくれましたもん。
あたしが…どうしたらいいか判らなくて…怖くて…逃げ込ませてくれただけだけど。

それでも、しっかり受け入れてくれたから。




「深雪ちゃんが本気で好きだって言うなら、受け入れてくれるかも…知れないですよ」

一度きりかも、知れないけど。それも、わからないけど。

後悔も、すると思うけど。



雅は。

後悔していい事も…あるかも知れない、と。



私そっちのけで、小さく呟いた。




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