飛ばない蝶は、花束の中に
やっぱり、考えたんです。
いくら立場が“妹”だって、深雪ちゃん、お兄さんのこと、大好きなんでしょう?
一度しかない“初めて”は、後からどれだけ後悔する事になっても“好きな人”とがいいですよね。
「深雪ちゃんの“初めて”…凱司さん…受け入れてくれ…るんじゃ…ないかなぁ…」
私は。
自信なさげに俯いた雅を、睨み付けた。
余計な、お世話よ。
私の事は、私が自分でやる。
お兄ちゃんには、無理だって言われて、何となく避けられているけれど。
絶対に。
諦めないし。
人の心配なんか、してる場合?
お兄ちゃんを好きなくせに。
“タカノ”に良いように張り付かれて。
私は、込み上げる羨ましさを押し潰しながら、憮然と。
もう、帰りましょ、と。
手早くココアを飲み干した。