飛ばない蝶は、花束の中に
お兄ちゃん、私のことも気にしてくれてたんだ、なんて嬉しくなっちゃうくらいには。
多分私、卑屈になってた。
らしくない、とは思うけど。
同じくらいの女の子として、到底理解出来ないことばかりな、雅という存在に。
疲れたのかも知れない。
「雅ちゃん、凱司あと30分で帰るって」
あ、あと150円持ってる?と、お兄ちゃんからの電話を切った“タカノ”は、深雪ちゃんにお釣り出しといて、と言い残すと、慌ただしくリビングを出て行った。
「はい、お釣り」
にこっと、手のひらに銀貨を二枚乗せた雅が、髪を揺らす。
「今日は、ごめんなさい。大丈夫だと思ったんだけど…面倒な思いさせちゃって…」
でもありがとう、楽しかった、なんて。
あんまり無邪気に微笑むものだから私は。
本当に、本当に、渋々なんだけど。
「…………無理、言って…ごめんね…」
小さく、小さく。
謝った。