飛ばない蝶は、花束の中に
色々と。
ぐるぐると。
何をどう考えればいいのか解らないまま、気分だけは疲れて落ち着いた、頃。
ドアの向こうが、ざわめいた。
すぐそばじゃなくて、リビングで聞こえてきたのは、雅の声だと思う。
一方的に、何か、大きな声で。
そんな大声、出せるんだ、なんて、ぼんやり思いながら、我に返った。
誰に、怒鳴ってるの…?
『何が違うの!? あたしと何が違うんですか!!』
僅かに聞き取れる、雅の声。
私は、きつく巻き付けた布団を、さらに巻き付けた。
狭い部屋で、効きすぎているエアコンは、閉じこもった私を、ますます布団の真ん中に閉じこもらせる。
雅。
あんた、お兄ちゃんに好かれてるじゃないのよ。
あんた、凱司さんはあたしを好きな訳じゃない、なんて、嘘ついて。
『そんな言い方、可哀想じゃないですか!!』
聞き取れた、雅の声。
可哀想?
私が…?
“可哀想”…?