飛ばない蝶は、花束の中に
買って貰った大きな浮き輪に収まり、縁に肘を掛けて水面に浮いてみるけれど。
右を見ても左を見ても、知らない人だらけ。
お兄ちゃんは、水遊びをする歳じゃない、って言ったけれど、ほら、禿げ上がったオジサンだって、楽しそうに水遊び、してる。
私は、くるくると高くまとめ上げた髪に、鮮やかな青の、セパレート。
本当はビキニでも着て、お兄ちゃんに見せたかったけど。
私、綺麗になったでしょう?って見せたかったんだけど。
なんだか、子供のくせに、イヤらしい事を考えていると思われるのが怖くて、やめたんだ。
私は真上に広がる空を見上げた。
足元を包み込んだまま押し流すような波は、時々。
とても冷たい水を、私に掠めていく。