侍ヴァンパイア
「母ちゃんは仕事が忙しいオヤジが帰って来るのをいつも笑って待ってた。。。」



ロイのお父さんは、大魔王様だからほとんど家には帰ってこれなかったらしい




「珍しく帰って来た…その日から、、、母ちゃんの身体が急に悪くなったんだ…それまではピンピンしてたのに、、、



苦しくて、めちゃくちゃツラい筈なのに、みんなの前では無理して笑うんだ、、、俺が聞いても、自分は平気だって。。。



親父の方がツラいだろうから、私が笑って支えなきゃって


俺は、、、



親父が母ちゃんを殺したんじゃないかって



ずっと、、、今でも思っているんだ。。。



ーーー親父がーーー憎いよ」







ロイの息使いが荒くなり、自分のシャツの裾を強く握りしめているのがわかった



ポタポタと、地面に綺麗な雫が落ちて行くーーー



私は、彼を優しく抱きしめた、、、



昔、母が私にしてくれたようにーーーそっと、



何だかわからないけど、、、そうするしか出来なくて



そっと背中を手で摩るーーー





「キョウは…多分、、、私を殺さないよ」







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