侍ヴァンパイア

戻った過去

彼女は私用に椅子を引き待っていてくれた



「この病はね…決して治らない、



もって今日一日がせきの山ね…」



「あの、まだ諦めないで下さい!!、、、私っ」



ギュッと私の手を握ってそれを制止した



「限られたこの短い時間を…



私は、貴女に託したい、、、」



託す?どうして…私なんかに?



「覚えていないかしら?



私の事…」



私は首をゆっくり横に振った



彼女は、少しだけ悲しそうな目をして語り出す



「そう…ランドセルを背負って、、



一枚のメモ用紙をとてもとても大切に握り締めた、小さな貴女が家の鳥居をくぐって入って来たあの日の事を、、、



私は今でも鮮明に覚えているーーー」



あの日、母に貰ったクローバーのメモ用紙の事、、、?



私は



大切な事を…忘れている?



でも…なんで?



「私が…貴女の記憶を消したの


そうしなければ


貴女はきっと



潰れてしまっていたでしょうからーーーー」



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