乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
康大、あたしが落ち込んでいるのわかってて連れてきてくれたのかな。
ふと、昨夜目にしてしまった陸さんの名刺の事を思いだした。
あの名刺は今、財布の中に入っている。
スーツのポケットに戻しそびれちゃって、そのまま財布に入れたんだよね…
「何回も言うようだけど藤沢さ…彼氏と順調なん?」
康大のその言葉に顔を上げたけど、すぐにウンとは言えなかった。
別に喧嘩してるわけでもないし、順調と言えば順調なのかもしれない。
でも最近、そばにいるのに、心は離れてるみたいですごく寂しくなる。
それはやっぱり陸さんの仕事の事や美優さんの事があるからで…
「何でも言えって~俺こう見えて結構口堅いよ?」
「えー?」
疑いの目で見ると、「いや、まじでまじで」と笑っていた。
どう見ても口軽いように見えるんだけど。