乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】

その舞香はというと、カウンターで忙しそうに接客している。

テキパキしててすごいなぁと思う。

あたしもあんな風になれるのかな…

時々あたしの方を見て手を振ってくれたりジェスチャーでおかしなことをやってきたりしたので吹いてしまった。



初日は仕事内容も簡単で、あっという間に3時間が過ぎた。

帰りに店長に明日からカウンターの仕事覚えてもらうと言われた時はドキドキしたけど。


「慣れれば簡単だから心配することないよ」


舞香が着替えながらあたしに言った。


「そうだといいんだけどね」


その時、あたしたちの横を美優さんが「お疲れ様」と言いながら通り過ぎてった。


「…美優さん、いいひとじゃん」


小声で言うと舞香の眉間にしわがよった。


「そう見えるだけだよ」


「え…」


「そのうちわかるよ」


舞香のその言葉が気になったが、周りに他の人もいたのであたしたちはそれ以上美優さんについて何も言わなかった。


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