乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
外に出ると、陸さんが店の前のガードレールに寄りかかっていた。
それを見た舞香が横で驚いている。
「ちょ…奈緒の彼氏ってあの人!?」
「…うん」
彼氏を紹介するのってなんだか恥ずかしい。
「めっちゃかっこいいんだけど!!あんなにかっこいいなんて聞いてないよ!?」
興奮してあたしの肩にしがみついてくる。
「ああ…そうかな」
陸さんはあたしの姿に気づくと近寄ってきた。
「おつかれ」
「お、お疲れ様」
陸さんも仕事帰りなので鳶服を着ていた。目にかかりそうな前髪を邪魔そうに手でよけている。
「あの…陸さん、この子がいつも話してる舞香だよ」
陸さんに舞香を紹介すると舞香はぺこっと頭を下げた。