乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】
「あー舞香ちゃんね、いつも奈緒が世話なってます」
陸さんの綺麗な顔から笑顔が飛び出すともう誰もがノックアウトされる。
あたしだって最初に会ったときそうだったんだもん。
舞香だって…
横目で舞香を見ると、案の定目がハート状態…。
陸さん…他の人にその笑顔は禁止なのに。
きっとあたしの知らないところでも、こんな風に色んな女の子のハートをわしづかみしてるんだろうなって思うと寂しくなった。
「奈緒また明日ね!」
舞香は親が迎えにきていた。
2人きりになったとたん、陸さんが突然鼻で笑った。
「え!?」
「奈緒…顔に出てる」
「何が!?」
「嫌そーーーーーな顏!」
そう言ってあたしの頬を軽く引っ張った。