ツンデレちゃん!!
「…ちょ、っと……やめてよ…っ」
「………」
ヤツはどんどん顔を近づけてくる。
ヤツが迫るたび、あたしは1歩後ずさる。
「……ふ。勇気あるね、あんた。ただ名字言えばいいだけなのに。このままだと確実に……あ、もしかして待ってる?」
「ばっ、バカやろうッ‼ 離れろッ‼」
あたしは後ずさりながらヤツを思いっきり睨む。
「……面白いなあんた。この俺相手に睨んでくる女は初めてだ」
「…っだからっ‼ 離れろッ‼ あたしに寄るなっ‼‼」
───トン…
…なっ………‼‼
壁のバカっ‼‼
あたしはついに、壁とヤツに挟まれ、逃げ場を失った。