ツンデレちゃん!!







しかし、そいつは最低最悪な人間だった。



周りの女子からチヤホヤされているのをいいことに、何人もの女と付き合っていた。


あたしの目の前でいちゃついたり、キスをしたりした。




最初は我慢していたけど、いや、我慢なんかできなかったんだ。



あたしが別れを言うと、そいつは特に悲しそうな顔をするわけでもなく、ただ一言、「さようなら」と言った。




あたしは、悲しみや怒りなんかを通り越して、バカバカしくなった。





…なぜあたしはそいつを好きだったのか、未だに理解できない。



……いや、本当は最初から好きじゃなかったんだ。


周りがそいつを『かっこいい』だとか『好き』だとか言うから、あたしもいつの間にかそれに逆らえず流されていたのかもしれない。





< 7 / 337 >

この作品をシェア

pagetop