恋する季節 *- confession of love -*
お化け屋敷劇場の一部始終を説明された彩乃は、最初、だから美琴たちの後のペアは出てくるまでにやたら時間がかかっているのかと呆れてから、少し黙って。
「それにしても……」と呆れ笑いを浮かべて美琴を見た。
「今までどうしてもできなかった告白を、よくお化け屋敷なんていう雰囲気もへったくりもない場所でできたわね。
カメラで監視してる係員も驚いたでしょうね。
まさかゾンビに襲われながらそれガン無視して告白の上ラブシーンなんて」
「だって……大和の顔見て、今言わなくちゃって思ったから……。
でも、そうだよね。後の組の人にも迷惑かけちゃったよね。
係員さんも見てたなら途中で止めにきてくれてもよかったのに……」
改めて思い出してみるとかなり恥ずかしいようで、美琴は顔を両手で覆いながら言う。
通常よりも長い時間あそこにいたのは確かで、後の組に遅れが出ているのは明らかなのに、なんで係員は止めにこなったのだろう。
見て楽しまれていたとしたらもう絶対ここには来られない。
そんな風に思って美琴が恥ずかしがっていると、彩乃が笑う。
「美男美女だったから、なんかの撮影だとでも思ったんじゃない?
まぁこれもいい思い出じゃない。こんな場所での告白なら絶対に忘れないしね」
そう笑っていた彩乃が、「そういえば」と何かを思い出して美琴を見る。