絶滅危惧種『ヒト』
「いやいや姉ちゃん。苗字が珍しいからそう思っただけで、それが本当に梓の彼氏のオヤジさんかどうかは分からないじゃないか」
「あ、ああ、それは確かに……」
紀子が頷く。
「いや、間違いないと思う。お父さんの名前は聞いてないけど、子供の頃に外国で亡くなったって言ってたし、
お兄さんもお父さんの後を追って医者になったし、自分もそっちの方面に進みたいって言ってたから」
「へぇ~」
「それはでも分からないぞ。そうだ本人を呼んで確かめよう」
孝明がわざとらしく言う。
「ちょ、何言ってんのよ! 来るわけないでしょ」
「何で?」
「何でって……もう夜だし……」
「夜だしっていうほどの時間じゃないだろ? まだ六時半だぞ」
「ていうかさぁ、何で呼ばなきゃならないのよ?」
「アホかぁ! 交際するならちゃんと両親に挨拶に来るのが筋だろうが!」
孝明は無茶なことを言った。もちろん本人的には冗談の延長なのだ。
「そんなぁ~、だいたいさぁ、子供じゃないんだから放っといてよ」
「ちょっと待ちなさい梓。オマエはまだまだ子供だぞ」
やり取りを見ていた父の彰洋がそう言った時……。
「来るって」
「え?」
「え?」
「え?」
栞が笑顔で、手に持った電話を見せた。
「あ、ああ、それは確かに……」
紀子が頷く。
「いや、間違いないと思う。お父さんの名前は聞いてないけど、子供の頃に外国で亡くなったって言ってたし、
お兄さんもお父さんの後を追って医者になったし、自分もそっちの方面に進みたいって言ってたから」
「へぇ~」
「それはでも分からないぞ。そうだ本人を呼んで確かめよう」
孝明がわざとらしく言う。
「ちょ、何言ってんのよ! 来るわけないでしょ」
「何で?」
「何でって……もう夜だし……」
「夜だしっていうほどの時間じゃないだろ? まだ六時半だぞ」
「ていうかさぁ、何で呼ばなきゃならないのよ?」
「アホかぁ! 交際するならちゃんと両親に挨拶に来るのが筋だろうが!」
孝明は無茶なことを言った。もちろん本人的には冗談の延長なのだ。
「そんなぁ~、だいたいさぁ、子供じゃないんだから放っといてよ」
「ちょっと待ちなさい梓。オマエはまだまだ子供だぞ」
やり取りを見ていた父の彰洋がそう言った時……。
「来るって」
「え?」
「え?」
「え?」
栞が笑顔で、手に持った電話を見せた。