絶滅危惧種『ヒト』
『えっと……じゃあ、いつが空いてるのかな?』


「いつでもOKですよ。今日も塾がない日だから、空いてますけど」


『今日って……今からOKってこと?』


「はい。すぐに出られますけど」


『そうか……。じゃあ今から車で迎えに行くよ。うちどこ?』


「栄町です。栄町のディスワンっていうドラッグストア分かりますか?」


『ん? そんなの栄町にあったっけ?』


「ああ、そっか。まだ出来て2年ほどだったんだ。じゃあグルットっていうファミレスは分かりますか?」


『ああ、え~と、大きい本屋があった近くだよね?』


「あっ、それです。その本屋さんだったとこが、今は潰れちゃって、ドラッグストアになってるんです」


『ああ、なら分かるよ。じゃあそのドラッグストアに行けばいいのかな?』


「はい。じゃあそこで待ってます」


『分かった。今からすぐ出るから、15分くらいで行けると思う』


孝明はそう言って電話を切った。


こうしちゃいられない。


孝明が来るまで15分。うちからディスワンまで徒歩3分。


朋美は大急ぎで自分の部屋に駆け込むと、クロゼットの扉を開けて、着ていく服を選び始めた。

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