絶滅危惧種『ヒト』
なぜなら、朋美が孝明にバレずに買おうとしたものは、コンドーム……いわゆる避妊具だったからだ。


まだエッチの経験がないけれど、もの凄く近い将来、孝明とそういう行為をすることになると確信したのだ。

もしかしたらそれは、今日かもしれない。


朋美はそう思って、コンドームを買うことにしたのである。


コンドームの使用方法も分からないけれど、とりあえず持っておけば、孝明は使ってくれるだろう。


昨日知り合ったばかりの男性とそういう行為をするなんて、今までの朋美は有り得ないことだと思っていた。

なのに今は、何だかそういうことになるかもしれないことに、少しときめいている。


相手は20歳も上の男性で、しかも離婚経験があるのだ。


まず間違いなく、母は交際を認めてくれないだろう。

そもそも朋美だって、友人がそういう立場で相談をされたなら、まだお互いのことを何も知らないのに、知り合って二日目の男性に大切な処女をあげるなんて、どうかしてるって言うに決まっている。


そんなことは自分でも重々分かっているのだ。


なのに、こうしている間にも、どんどん彼のことが好きになって行っているのが分かる。


朋美は孝明にバレないように、先にレジでコンドームの会計をすませると、孝明のもとに戻った。

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