わがまま姫♀



ま、どうせあたしは単純だもんね。



流があたしを単純にしたんだよ。



分かってんの?



─────………
───………



あたし、結構長い間ここにいるんだけど、誰ひとりこないよ?



ねぇ、どーなってんの?



あたし、このままほっとかれんの?!



それだけは絶対にいや!



だってここ、怖いんだもん!



だんだん不安になってくるのと同時に、暗闇に対する恐怖も増してくる。



足が小刻みに震え出す。



あたしはその場にしゃがみこんだ。



…怖い。



心細い。



寂しい。



不安。



この状況に、涙が出そうになる。



今にも溢れ出しそうな涙を、グッとこらえる。



「……流ぇ…」



かすれた声は、暗闇の中に消えていった。




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