わがまま姫♀
その時。
もうしばらく、聞くことのないだろうと思っていた声が、あたしの耳に届く。
「姫央さーん」
……え。
姫央さん?
“バァンッ”
部屋の扉が勢いよく開き、あたしたちの前に現れたのは、
「「…津戸グループ」」
あたしと流の声が、ピタリと重なる。
「姫央さん、大丈夫ですか?!死にかけだと聞いて、飛んできましたよ!!」
……誰が死にかけだ、おい。
誰に聞いたんだよ。
津戸の声聞いただけで、もうなんだか頭が痛い。
「この獣に襲われませんでしたか!?」
流を指差し津戸が言った。
け、獣って…(笑)
「獣…?」
「…ぷ」
「なに笑ってる(怒)」
ハッとしたあたしは、手で口を押さえ、細かく首を横に振る。