もう少しだけ、あなたのそばに
「なんか、ずっと、百面相していたけど、もう、授業終わったから。」
なんと、いろんなことを考えていたら、あっという間に今日の授業は終わっていたらしい。
「そんなに百面相してた?」
「うん、してたよ。」
「はあ~、梨乃は帰るの?」
「あんたのピンチヒッターしてくるけど?」
「す・・・すみません。」
「ま、いいわ。親友の為だしね。」
優しい梨乃。申し訳ない。
「で、今日の夕食のメニューはなんだって?」
「ビーフシチューが御所望だそうでございます。」
「これまた、手間のかかるものをリクエストされたものね。」
「うん。買出し行かなくちゃ。」
「花憐」
私を呼ぶ梨乃の顔が怪しく微笑む。