HIVに捕らわれて
長く伸びた影がやがてぼんやりしてきて、全てが影に飲み込まれると、部屋は薄暗闇に包まれ、電気が灯るのを欲しているようでした。


僕はここを出て行くタイミングを探していました。


いつまでもここに、あと数分でも留まりたいとも思いました。


僕はベランダに出て、まだ太陽の匂いのする西の空を眺めました。


さっきまで赤く染まっていた空が青暗く、なりかけていました。

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