HIVに捕らわれて
僕と富岡は、近くの喫茶店に入りました。


24時間、いつも開いてる店で、僕らは、その店の一番奥に座りました。


「先生もこんなところに来るんだ」


押し黙っていた富岡がようやく喋り始めました。


「仕事ですよ。


富岡さんこそ、こんな場所で何を?」


「ははは、こんな時間にこんな場所で会って、何をなんて愚問ですよ、先生」


富岡の人を小馬鹿にしたような、相変わらずの喋り方にムカムカきながらも、僕は富岡の言葉の意味が理解できずにいました。

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