トシノサレンアイ- 狼と仔猫 -
05.渦巻く不安

「あ、あのね、ミズキ……あたし、彼氏出来た」

「本当に!?やだぁ!おめでとうセツナ!」


あたしは学校で一番の大親友であり、テニス部の部長でもある天野ミズキに今日までに起こった出来事を打ち明けた。

ミズキは、まるで自分自身のことのように喜んでくれた。

親友に祝福されて、あたしもとっても嬉しかった。


「でもね、実はその人……あたしより10歳年上で……」


おずおずと話すあたしに、ミズキは眉根を寄せてこう言う。


「それが何?あんたは年上が好きなんじゃなくて、好きになった人が年上だったってだけでしょ?気にすることないない」

「あううぅ、ミズキィ……」

「やだ!何あんた泣いてるのよ!鼻水と涙拭いてー!」


そっか。

年上だからって何も悩むことないんだ。

好きでいることは間違いじゃないんだ。
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