罪桜
「なんか、意外だなぁ。なおくん、もっと怖い人だと思ってたから…」
「今でも俺のこと、怖いと思う?」
「あんまり思わなくなったよ」
「よかったぁ」
「さっきの話の続き!どうして、警察に追われてたの…?」
「色々してたからなぁ…喧嘩で半殺しとか普通だったし…無免許で何度も捕まってるし…」
「そっか…でも、来れたんだし!よかったね!」
「日本に帰ったら、俺、捕まるかもしんねぇ…」
「やだよ…そんなの、やだ」
「仕方ないよ…。もし、もしも俺が捕まったら、俺に手紙書いて。」
「どうしてそんなこと言うの?大丈夫だよ、なおくんは捕まったりしない。私が守るから…なおくんのこと、紗智が守るから…。」
「ありがとうな。ほんと、可愛いな。紗智って。
もし、俺が捕まんなくても、家もお互い遠いしなかなか会えないけど、メールずっとしてような」
「うん!…あ、でもなおくん、どうせ私のことなんてすぐ忘れちゃうんでしょ!」
「そんなわけねーよ。死ぬまで一生メールしような。ほら、約束」
なおくんは小指を差し出す。
私たちは2度目の約束を交わした。