おかしな二人
「なっ、なんもしとらんわっ! かっ、壁の染みがちょっと気になっただけやろがっ」
だけやろがっ。と言われましても……。
水上さんは慌てたように立ち上がると、テレビもつけたままそそくさと寝室へ引っ込んでしまった。
あれは、完璧に聞いてたよね。
あたしは、頬をヒクヒクさせながら寝室のドアに目をやった。
左手に握られた携帯からは、たこ焼きのタコ君がブラブラと踊るように揺れていて、あたしはそれをぴんっと弾いて一言。
「壁の染みって、どれよ」
まっさらで綺麗な壁紙には、もちろん染みなどありはしなかった。