おかしな二人
凌と二人バーから外へ出ると、すっかり陽も暮れ街灯の灯りが辺りを照らしていた。
「悪かったな」
少し落ち着いた凌が、タバコを取り出しながら呟く。
「仕事だから」
あたしは、夜の闇に負けないよう明るく応えた。
「そっか……」
凌は、ふっと力の抜けたような笑顔を零すと、カシュッと音を立ててライターを灯す。
取り出したタバコの先端が、一瞬赤く光った。
一口肺に吸い込み、大きく煙と共に息を吐き出すと、凌は点けたばかりの火を電信柱でもみ消し、携帯用の灰皿へと入れた。
それから、何かを考えるようにアスファルトを見つめる。