おかしな二人
「あ、あのですね。実は、あたしが凌にずっと会いたくなかったというか。兄妹はいないものとして生きてきたのにはわけがありまして」
「なんや」
「あたし、ずっと凌に苛められてたんです」
「はっ!?」
あたしの告白に、水上さんは拍子抜けしたような顔をしている。
「そんなん、子供のすることやろ? よくあることやんか」
水上さんは、さもありなんと言う顔。
けど、そんな顔で済まされてしまうには、あまりにも苦くつらい思い出にあたしはつい声を大にしてつい叫んでしまう。
「違うんですっ!」
だって、凌の苛めは、子供のそれとはわけが違っていたから。
「本当に酷い苛め方だったんですって。命が危ないと思った事だって、一度や二度じゃないんですから。今、こうして生きているのが不思議なくらいなんですって」
あたしは、若干ふくれっつらになりながら、水上さんへ必死に訴えた。