素敵彼氏の裏の顔【番外編】



「……そっか」




隼人はやっぱり優しい。

左手であたしの手をぎゅっと握ってくれる。




「あの人たちに、キレたり喧嘩売ってもいい。

俺の美優に何してくれるんだって、本当はぼこぼこにしてやりたい。

でもね……」



「……」



「きっと、今頃すごく反省している。

それがすごくよく分かるから……

許してあげて?」



「え?」





隼人は……

隼人はどうしてそんなに優しいの?

あの人たちのせいで、隼人は晒し者になってしまった。

隠してきたものを大勢の人に見られてしまった。




「俺だって悔しいよ。

美優の身体、あの人たちに見られてしまった。

俺のものだって、ひとりじめしたいのに」



「……え?」



「心狭いよね、俺」




なんで隼人が?



そんなことないよ。

見習いたくても見習えないくらい、隼人は大人。



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