素敵彼氏の裏の顔【番外編】



「美優、勝手に話を作っちゃいけないよ」




あたしの前の隼人は、優しくあたしをたしなめる。

隼人はいつも通り穏やかだが、嫌と言えない強さがあった。




「俺だって、そんな状況で美優を抱きたくない」



「そんな状況……?」




ぽかんとするあたしを見て、隼人は何かを思い出したように笑った。

楽しげな笑いだった。





「なに、隼人?

意地悪!」




思わずそうこぼすと、ごめんと謝る隼人。

結局悪いのはあたしで、隼人には罪なんてないのに。

隼人は本当に優しい。



< 34 / 386 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop