素敵彼氏の裏の顔【番外編】
「神木さん……だったのですね……」
「俺で悪いかよ」
隼人は後輩を掴む手に力を入れる。
後輩の足はもはや地面に届いていなくて。
苦しそうにバタバタと宙を掻いていた。
「謝れ」
「ごっ……ごめんなさい」
「俺にじゃねぇよ!!」
隼人の怒号が聞こえる。
あたしには決してこんなことしない、優しい隼人だと分かっているのに震えが止まらない。
隼人、もういいよ。
十分だよ。
隼人が止めてくれることを、必死で祈った。