花火
先生が私から離れる。
私は身体に力が入らなくて、目だけで先生の姿を追った。
あれ……?
先生、何でそんなに驚いた顔して……
「いや…………気のせいだな……そんなはず、ない」
先生の一人言に「え?」と思ったら、次は申し訳なさそうな顔に変わった。
……百面相してる……
「……っあー……、悪い……何やってんだ、俺っ」
「……!?」
いきなり頭を抱えた先生に、次は私が驚く番だった。
しかも、先生はブツブツと何かを呟いていた。
私はゆっくりと起き上がる。
ふと、先生の目線が私を向く。
先生と同じ目線の高さだ。
「……やり過ぎた。悪い。俺、バカみたいに余裕無さすぎるな……」
ペコ、と先生が頭を下げる。
こんなに取り乱した先生を見たことなんてなかったから、私はポカンとするしかない。