花火

02

 

*+.。.+*.。.


9月。


暦の上では秋だというのに、まだまだ暑い日が続く。


もうずっと背広なんて着ていられなくて、Yシャツにネクタイ姿だ。


もちろん、他の先生方も同じだ。


……一人を除いては。




2学期が始まりを迎えた9月1日。


一人の教師がうちの高校に赴任してきた。


時期外れだと思うかもしれないが、これには理由があった。



「レノックス・カルヴァートです。よろしくお願いします」



……日本人……ではないな。どう見ても。


赴任してきたのは外国人。


英語の授業に力を入れるために、ネイティブな発音のできる外国人を呼ぶことにしたらしい。


さすが外国人ともあって、背は高く、顔の彫りが深く、整っている容姿。


目はブルーだ。


アメリカの風習か、スーツ姿ではなく、ラフなポロシャツとジーンズという様相だった。


女の先生たちはすっかり目がハートになっていて、うっとりとカルヴァート先生を見つめている。


これはもしかしたら、どこかで一波乱あるかもしれない、なんて思ってしまった。

 
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