花火
 

すぅっと気持ちを落ち着かせるように、リンは深呼吸をした。


俺はそれを見守った。


……リンの“弁明”を聞く覚悟を決める。



「……信じてください」



「……」



「レノンは……」



「……」



「…………パパなんです」



「………………。」



パパ?ってことは?



「援交……」



「なっ!バカなこと言わないでくださいっ!!!」



リンがバンっ!とローテーブルを叩いた。


本気で怒られた。



「レノンは本当のパパなんです!」



「……いや、だって、レノンはまだ30そこらだろ?計算合わねぇだろ……」



「……だから、お母さんが再婚したんです!レノンと」



「……はっ?」



「レノンは私が中学生の時に家庭教師やってくれてて、その時にお母さんと」



「……。」



作り話みたいな出来すぎた話に、まだ信じられない。

 
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