花火
 

「ずっと、ここにいろよ?……俺の傍に」



「~~っ、」



まるでプロポーズの言葉に、言葉を失ってしまう。



「な?」



「……っ、…………は、はい……っ」



私の返事に、うん、と先生は満足そうに頷いた。


それだけで、私は幸せな気持ちになれるんだ。



「あ、俺も聞きたいことあるんだけど」



「え?」



「先週の日曜日、どこにいた?」



「えっ!?」



突然の問い掛けに驚く。


先生はニヤリと笑って、私に顔を近付けてくる。



「コーヒーショップ。いただろ?」



「!」



「気付いてたよ?リンがいたこと。リンは気付かれてないと思ってたかもしれないけど、後ろ姿でもわかるし」



「嘘っ!!」



「マジ」



「!!!」



まさか気付かれてたなんて、気まずい……!


ていうか、盗み聞きしてたのも、バレてるってこと!?


最悪……!

 
< 169 / 178 >

この作品をシェア

pagetop