花火
 

高校生は朝から元気だねぇ。


そんなこと思ってしまう時点で、俺も若くないな、と思った。


自分が高校生だった頃は教師は大人だと思っていたけど、実際になってみればそんなことは全くなくて。


毎朝だりぃし、中身もその辺のガキとそう変わらないだろう。


それなりに経験を積んできている、くらいの差かな。


きっと、俺が教わってきた教師もそうだったんだろうな。


そう思うと、怖いと思っていた教師に親近感が沸いてくるのが不思議だ。


ま、そうは言っても、仕事は仕事。


やることはやる。


オンとオフの切り替えをできるくらいには、大人になったってことかな。


さて、と。そろそろ時間だ。


俺は教材を資料室に取りに行こうと、立ち上がる。


職員室の入り口に向かおうと、その方向に顔を向けた時、俺の目に入ってきたのは──

 
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