花火
 

「…………俺でもいいから」



「え?」



「むしろ…………」



「っ」



つ、と先生の指が私の頬に触れ、私の身体がびくりと跳ねる。


先生の目は真っ直ぐと私を見ている。


先生……?


今までと雰囲気の違う先生の表情に戸惑う。



「……この前のお仕置き、今しようか」



「え……、っ!?」



頬に触れていた指が首もとに移る。


親指は私の唇を揉むように、弄ぶ。


その触れ方に、私の身体がビクッと反応する。


その甘さに、一気に引きずり込まれる。


気持ちいい──


……身体の奥がじわじわと熱くなる感覚。


この感覚、知ってる──。







ここ、学校なのに。


……もっと、触れてほしい。


なんて、思ってしまうなんて。


こんなこと、許されるはずないのに──。

 
< 62 / 178 >

この作品をシェア

pagetop