花火
「せ、先生……っ」
私は必死に先生に小声で話し掛ける。
もちろん、後ろにいる女の子たちに私の顔を見られないようにして。
「──早く離してください……!こんなところうちの高校の人に見つかったらヤバ……んっ!」
キャーッ!、と後ろから聞こえてきたのは、気のせいじゃないだろう。
その悲鳴の原因は……
……私の唇が、先生の唇に塞がれてることだから。
──何するの、この人……!
苦しくて口をつい開いてしまうと、先生の熱い舌が入り込んできて、キスはどんどん深くなっていく。
「んん……っ!」
先生の胸を押すけど、びくともしない。
先生の手は私の顔をスッポリ覆っていて、きっと、あの子たちには私のことは見えていないだろうけど……そういう問題じゃない!
「ん……っ」
あ……っ、ちょっと待って……!
マズイ、息続かない……!
焦っているのもあって上手く息ができなくて、完全に酸欠状態の私。
すがり付くように先生のシャツを握った時、先生の唇が離れた。
「はぁ……っ」
クラクラとして、私の身体は先生の胸の中に収まる。
私の頭は守られるように、スッポリと先生の腕に抱えられていた。
……耳を塞がれるようになっていたからよく聞こえなかったけど、遠くで、再びキャーッという悲鳴が聞こえた気がした。