【完】ヴァンパイアとチョコレート
ニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべてアンバードは次の手を繰り出す。

ギインーー!!

剣と剣がぶつかる耳障りな音が暗い森に響く。

「くっ……」

ライルは何とかしてそれを振り払う。

「へぇ……結構やるじゃない」

ライルの額に汗がにじんでいる。

しかしアンバードは余裕の笑みを崩さない。

アンバードは風の速さでライルの肩を切った。

「ぐっ……!」

ライルの顏が歪み、肩からは血がにじみ出る。

「ふふっ!楽しいなぁ~。こうやってライ君と遊ぶのって久しぶりだよね?」

アンバードは剣についた血をべロリと舐める。

「っ……」

ライルは肩を抑えて片手で剣を持つ。

足元はふらつき、立っているのがやっとだ。

(こ、このままじゃ……ライル君が……)

何か自分にできることは……!
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