【完】ヴァンパイアとチョコレート
「疲れた顔してるな……」

ライルはミーナの頬にそっと触れる。

長い指が肌に触れるとミーナの鼓動が高鳴る。

「もう、寝ろ」

ライルはそう言ってミーナをひょいと抱き上げた。

「えっ!?」

(こ、これって……お姫様抱っこ!?)

ミーナはどうしたらいいか分からずに、なすがままになっている。

心臓の音が耳まで届いて顔が赤くなる。

ライルは寝室のベットにそっとミーナを寝かせた。

寝室も殺風景な部屋だったが、ベットにはライルのぬくもりがあった。

「心配するな」

ライルはもう一度髪を撫で、少しだけ笑った。



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