【完】ヴァンパイアとチョコレート
涙声でミーナは男に懇願した。

キングなら二人を助けてくれるかもしれない。

そう思ったのだ。

「そうか。君はそれほどまでにこの子たちの事を……」

アンバードは瞳を細めてほほ笑む。

「大丈夫だよ。私はもう人間の血は飲まないんだ。彼女を愛した時からね……」

キングは遠くを見るような目をして言った。

「ライルとアンバードは異母兄弟でね……。この子の母親が死んだとき、ライルはアンバードを疑っていた。私はそれを信じなかったが……。どうやら本当みたいだね」

「どうして、それを……」

キングはあの場にはいなかった。

なのになぜその事を知っているのだろう。

「あぁ。この子が教えてくれたよ」

そこにはピクシーの姿があった。

淡い光をまとったピクシーはキングのコートの裏に隠れていた。

「ピクシー!?どうしてここへ?」

「この子が私に知らせてくれたんだ。君たちが危ないって」

「キューイ!」

ピクシーはミーナの頬に顔を擦り付けた。

その背中には新しい羽根が映えていてきらめいていた。

「あなた……私の後をつけてたの?」

「キュイ!」

ピクシーはその言葉にうなづく。





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