【完】あの子の隣にいるのはスキな人……
そしてある日。
俺は学校にも行かず、真っ暗な部屋でこもっていた。
『啓人?ちょっとお願いがあるんだけど……』
そう、俺の部屋の前で言う才華。
声震えてる……
『何……』
俺はあれから初めての声を出した。
『あのね、勉強教えてほしいの。』
そうか、受験生だな。俺ら。
この言葉は才華なりの、励ましなんだと俺は思った。
だからなのか、無意識のうちに俺は部屋の扉を開けていた。