BITTER HONEY~女上司とイケメン部下の秘密結婚~
棗は冷めた紙コップのコーヒーを口にした。



私の視線は棗の唇に集中する。



「課長?」



「…なぁ?小野瀬」



「はい…何ですか?」


「命令と言うか…」


「命令?」



「私にキスしてくれないか?」



「…キスって・・・魚のキスではなく人工呼吸にキスですか?」



「・・・」


私は棗の返事を待つ前に唇を重ねた。


ほろ苦いコーヒー味のキス。



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