恋はとなりに
「コウタは友達と遊んだりしないの?」
さくらが聞いてきた。
「さくらと遊ぶから。」
「あ。あたしのことは気にしないで他の友達と遊んでもいいよ。高校生だし、コウタ友達いっぱいいるんでしょ?よく携帯鳴ってるもんね。」
「うん。友達はいるけど、さくらといたいからいるんだ。無理してるわけじゃない。」
核心をつくこと言いたくなかったけど、隠せないから仕方ない。
さくらは気まずそうな顔をしていた。
あれ、
でも
ちょっと
嬉しそうな
顔
してるかも
・・・・。
もしかして
脈あり?
俺になびいてる?
いや、待て待てそこまで期待するな。アニキから俺に乗り換えるってかなりの覚悟がいるはずだから、
そう簡単にいくわけない。
俺は自分に言い聞かせて、気持ちを落ち着かせた。
でもさくらはちょっと照れくさそうに。
「ありがとう。」
と言った。
俺の携帯はよくなる。たかしからのラインがほとんどだ。
クラスの女子からの誘いやら。ゲームの招待だったり、どうでもいいような内容ばっかり。
「明日、映画でも観に行かない?観たいのやってるんだ。」
「え、映画?・・・・なんかデートみたい。」
さくらは引いた。
せっかく誘ったのに、ちっぽけな勇気が吹き飛ばされた気がした。
「じゃあ、いい。」
「・・・・。まだ、ちょっと。」
さくらはなんか曖昧な返事をしただけで、俺の機嫌は直らない。
他に誘ったら、ついてくるやついっぱいいるのに、なんでこいつに断られるんだ!?
頭をかきむしった。
「コウタ怒ってる?」
さくらが怯えた顔してみていた。
「怒ってねえし。」
と、精一杯の強がりを言った。
さくらはあきれた顔してみている。
「コウタってすぐ怒る。子供っぽい。」
さくらは不満そうに言いやがった。
「どうせ、ガキだよ!!!!!!アニキみたいに大人じゃねえよ!!悪かったな!!!」
思いっきり怒鳴ってしまった。
さくらは泣きそうな顔をして出て行ってしまった。
やっちまった・・・・・・・・。
後悔先に立たず・・・・・・。