恋はとなりに
らららん
昨日の告白、気持ちまだ変わってないかな。酷いこといっちゃったから不安だ。
早起きしてコウタを待ち伏せした。
付き合うって言おうと思って。
昨日ふったくせに調子良すぎるかな……
でもまずは謝らないと。
昨日の悲しそうな顔。
焼き付いて離れない。
7時半、コウタが家を出る時間。
もう45分。今日は遅いな、どうしたんだろう
昨夜帰ってくるの遅かったからまだ寝てるのかな。
「おはようございまーす。」
あたしは玄関を入ってみた。
おじさんはもういない。
カケル君がキッチンから出てきた。
「おはよー、コウタ心配してきたの?まだ起きてこないんだよ、見てきてみ。」
カケル君はマグカップを片手にそう言った。
なんだまだ寝てるのか~。ちょっと安心して2階に向かう。
ドアをノックしながら呼び掛けるが返事はない。
ドアを開けた。
コウタはベッドの中にいるみたい。
「コウタ?」
言うと、コウタはガバッと布団から顔だけ出した。
目をまん丸くして心底驚いているみたい。
「さ、さくら。何でいんの?」
驚いて声が裏返ってる。
「何でって…………心配で見に来た。コウタ、昨日あれからどうしたの?」
「どうって、近所うろうろしてた。」
「そう……。昨日、あれから考えたんだけど……。」
あたしが話そうとすると、
「あのさ、さくら。悪いんだけど、着替えたいからちょっと出てってくれない?」
と、遮られた。
「うん。わかった。」
下に降りるとカケル君が家を出るところだった。
「コウタ起きた?」
「うん。着替えたいから出てって。」
「そうか、じゃ、あとよろしく。いってきます。」
「行ってらっしゃい。」
って玄関で見送れるなんて!
キュンとしちゃう!
ヤバいヤバい。
カケル君との新婚生活を妄想してしまいそうになる。
コウタと付き合うつもりなのに。
未練ある?
自分に問いかけてみる。
嫌いになんてなれないし。
好きは好き。
その人の弟と付き合おうとするのって……どうなの?
考え始めると、やっぱりよくないことに思えてあたしは鈴木宅を出ていった。