魔法のキス

雄馬も私も、目を合わせないようにしている。


「あら。ゆーまくん達来てるね。さすがスイーツ王子。女の子もゲットして、なかなかいい感じだね」



凛子さんが言う。


「凛子さん。私ね、明日上京するのよ。凛子さんにだけ話すけど」


「ウググッ。なに?上京?明日?えーッ!なんで早く教えてくれなかったのよ〜!なんで上京するわけ?」


「ごめんなさい。他の人には知られたくなくて。私、東京で働く事になってたんです」


「なんの仕事?東京のどこなの?」


「原宿の、ブティックなんですけど」


「ヘェ〜。原宿か〜姫さんにピッタリな感じはするけど、なんで神戸じゃダメなの?」


「いろいろ事情があって。あっ、凛子さん東京に来た時には来てくださいね」


凛子さんは30代だから、ちょっと私のお店の洋服は合わないかもしれないけど。


「わかった。それまでに美味しいお店を探しておいてね」


「あはは。わかりました」


< 168 / 344 >

この作品をシェア

pagetop