魔法のキス
私は親不孝もの?
ただのお嬢様のワガママ?
親のおかげでここでも働けるありがたさや、ぬくぬくとした快適な住居に住める事をわかってないだけなのだろうか。
そうかもしれない。
でも、それじゃいけないのかもしれないと、気がついたのかもしれない。
どこも雇ってくれなくて、親にも見捨てられたら、ホームレス……。
それでも仕方ない。
そのくらいの覚悟を持たないと、自分のワガママは許されないのかもしれない。
それと雄馬も、今回の私の行動を許してくれないかもしれない。
私に黙っていたことも、私のことを思ってのことだったのだから。
雄馬から別れを告げられるかもしれない。
でも、もう私はいま止まらない列車に乗ったような気分なのだ。
雄馬からメールがたくさん入っていた。
着信もあった。
全部無視している。
今日の夜電話を入れるつもりだけど。